お袋は朱音に気づき、声をかけた。


「初めまして、小林 朱音です。」

「まぁ、お友達? 竣の母の板垣 澄子(イタガキ スミコ)です。」


とお互いに会釈する。


「竣、詩乃チャンは?」

「…詩乃は…。」


当然の質問だ。

お袋は夏休みの間に詩乃に会っている。


その時、お袋は【早く孫の顔が見たいわ~♪】なんて言ってた。


「詩乃は、もういませんよ?」


答えたのは朱音だ。


「はぃ!?」

「ですから、詩乃はもういません。」

「どういう事!?」


と俺を見上げるお袋。


「詩乃は今は私の元彼の所ですから。」


元彼…って誰だよ!?


「竣の彼女は私です。」


とニッコリ笑う。


「っ…竣!?」


と俺を睨むお袋。


「…知らね…。」

「はっ…!!」

「これからよろしくお願いします、お母さん♪」

「……。」


放心状態のお袋。


「2人が…どうして!」

「私が寝取ったんです。ね? 竣。」

「ねっ…んなわけねーだろ!」

「ここまで来てまだ認めないの~?」