夕日を眺めながら2人で手を握り合った。
「聖子さん、私が先陣を切って告白します。だから、聖子さんも・・・いつかちゃんと伝えてください!!」
後悔したくない。
この恋を絶対に実らせたい。
「美亜なら、ちゃんと言えるよ。来週のバイトが楽しみ…。私も、弘人に素直になってみるね。」
聖子さんがバス停まで送ってくれたおかげで、隆介のバイトの店に行く決心がついた。
先にバスに乗っていた美菜に、告白する事を話した。
バスが揺れちゃうくらいの大声を出す美菜。
美菜も正直に打ち明けてくれた。
「実は…私も新しい恋できるかも…。オヤジだけど…橋本さん、好きになったかも。」
窓の外で、優しく手を振る橋本さんはきっと美菜のことを好きだろう。
だって、私なんて全く目に入ってないんだよ。
美菜のこと、じっと見つめてる目は…恋する目だってわかる。
美菜は、薬指の指輪をくるくると回しながら窓の外を見る。
10月もそろそろ終わろうとしてるこの季節の夕暮れはあっという間に夜へと変わる。
バスに揺られながら、告白の言葉を2人で考えた。
美菜が笑わせてくれるおかげで、緊張せずに過ごすことができた。
ドキドキ・・・
隆介のバイトの終わる午後10時、店の前で待つことにした。