「美亜ちゃん、お待たせ~」
ちょ・・・っとぉ!
美亜ちゃんなんて・・・
しかも、隆介らしくないすんごくかわいい顔でコーヒーカップを私に渡す。
絶対またいじめて遊ぶんだよ。
隆介は、ソファの横の小さなテーブルにコーヒーカップを置く。
そして、隣の部屋のベッドの引き出しから何かを持ってくる。
・・・!!
ヤバイよ。
もしかして・・・あれ??
心の準備が・・・
あたふたしてる私の目の前に・・・
ジャラン・・・
私の目の前でブラブラと揺れるもの。
「肌身離さず持っとけよ!」
私の手のひらに乗せられたひんやりと冷たい金属。
・・・合鍵・・・・・・・・・・・・・・・??
涙溢れちゃうよ・・・
だめだよ・・・隆介。
好きじゃないならそんなことしちゃだめだよ。
これは、100%期待しちゃうよ・・・
私は、小さな合鍵をぎゅっと握り締める。
「ペットの特典・・・ってすごいんだね。」
私は、もらった鍵を大事に鞄の中のキーケースに取り付ける。
「ペットだからなぁ・・・お前もみーたんも俺の大事なペット・・・」
ふわぁ・・・
何・・・
背後から優しく・・・私の頭を撫でる手。
優しく包み込むように・・・そっと撫でられた私は・・・
本当にペットになりたいって思った。
ずっと前に思ったことがあったっけ。
みーたんに向けられる隆介の優しい眼差しを羨ましいって感じて・・・
みーたんになりたいって。
その夢が実現したんだ。
私に向けられてる隆介の目は、みーたんに向けられてた目と同じ。
その優しい手の動きも・・・
大事にされてるって感じるんだ。
コーヒーの香りのせいか、胸の奥がほろ苦い。
ただ撫でられているだけなのに、どんどん心が満たされていく。