美菜は人相が変わるくらいに疲れ果てていた。
私は、恋愛トークに盛り上がり、大人の恋も自分達と同じなんだってすごく感動したん
だ。
でも、美菜の顔見ると、そんなこと言えなかった。
「マジ・・・無理っす」
美菜は、30代くらいの男の人に肩を抱かれながらフラフラと歩く。
「大丈夫だって!慣れるから。美菜ちゃんも飛んで見ればいいんだよ!」
んな…無茶な・・・
「きゃぁ~!何言ってんですか。私、死にますよ、マジで。」
美菜の顔色が本当に青くて、心配になった。
すると、その30代の男の人が美菜を家まで送るって言い出した。
確かにバスと電車に揺られて帰る元気は残っていないようだった。
内心、『私も送ってよ』って思ったけど言えなかった。
私は、美菜に軽く手を振ると送迎のバスに乗り込んだ。
♪…ピロロンピロロンピロロン~
携帯が鳴った。
公衆電話からで、恐る恐る電話に出る。