弟がいるせいか、いつも姉御肌だった私は美菜といると何だか甘えてもいいような気がした。
手際良く注文してくれる美菜は予想通り、3姉妹の長女だった。
窓辺の席から外を眺めると、颯爽と歩く社会人の姿が見える。
「やっぱ、男はスーツだよね。美亜は彼氏いる?」
美菜は、薬指に指輪をしているから最初会った時から彼氏持ちだって思ってた。
私は、話せば長くなる隆介との話を手短に話す。
美菜は頭の回転が速い。
「なるほど~!友達以上恋人未満って関係で、怖くて一歩が踏み出せないんだね。」
そう言いながら、あったかい紅茶にほんの少しの砂糖を溶かす。
「いじわるなんだけど、たまに優しくて、実は寂しがり屋で温かい人なんだ。しかも、かっこよくて、笑うとかわいくて…」
突然、美菜が笑い出す。
「わかった、わかった~!相当大好きなんだね。よくわかったよ!だから、怖いんだよね。」
美菜がアイスハニートーストのアイスを私の口へ運ぶ。
「おいしい!!」
私は、ハニートーストよりもアイスハニートーストの方が美味しいことを明日さやみに言おうって心に決めてた。
あつあつのトーストにたっぷりのハチミツ。
溶けたバターとハチミツが見事にコラボしてる。