「おう!入れよ!」
気のせいかも知れないけど、ほんの少しだけ優しい気がする。
隆介は、午前で学校が終わって昼からずっと寝ていたらしい。
黒の上下のジャージにちょっと乱れた髪。
前髪をピンで留めてて・・・マジ…かわいいんだ。
キッチンからコーヒーのいい香りがしてた。
「美亜、飲む?」
さりげなく優しいんだから。
私が来るからわざわざ入れてくれてたんだ。
「うん。飲む!ありがと、隆介。」
少し素直になれる自分がかわいく思えた。
「で・・・朝の電話どした?」
隆介の・・・どした?って言った時の顔、すんごい好きって思ったんだ。
コーヒーカップに唇くっつけて・・・
目だけ、キョロって私を見て・・・
「もう一回言って!」
なんておねだりにもちゃんと応えてくれる。
「ん??だから、どした?」
やば・・・
かわいいし、かっこいいし、やばいって…
「あのね、チカンに遭ったんだ・・・で、近くにいた同い年の女の子が助けてくれたの。」
予想では、隆介は『マジ~?』ってケラケラ笑うんだ。
でも、違った。
コーヒーこぼれるよってくらいに乱暴にコップをテーブルに置き、
「なんだよ、それ!チカンって何されたんだよ!!」
なんて…隆介が怒ってくれた。
夢みたい。
大好きな人が自分がチカンに遭った事を真剣に心配してくれる。
こんな幸せってないよぉ。
「何されたんだよ?股間なすりつけられた?」
隆介からそんなエッチな言葉が出るなんて…
ってちょっと萌えながら・・・
「ううん。お尻触られた・・・隆介に助けてほしかったよ。」
余りの優しい隆介に思わず本音が出た。
「どこ触られた?俺が清めてやる!!」