「どうする?警察に連絡するかどうか・・・」
駅員さんに私は首を横に振った。
充分、このチカンじじいも恥ずかしい思いしたし・・・
反省してるんじゃないかなぁ。
私ってお人好し。
写メをそのチカンに見せながら、怒鳴る女の子。
「あんた、今度こんなことしたらこの写真バラまくから。この写真は駅に保管しといてもらうからね!あんたに次はないから!絶対もうすんなよ!!」
カッコイイ~~!!
チカンは駅員に連れられて、駅の奥の方へ移動した。
私の隣に座ったその女の子が私の肩を抱く。
「怖かった?大丈夫?私、村石美菜って言うの。あなたは?」
村石美菜・・・
かわいい子だな。
「島谷美亜です…今日は、本当にありがとう!!助かった。」
その場でしばらくお互いのプロフィールを言い合った。
私の短大より、一駅向こうの大学に通ってる美菜ちゃん。
年齢が同じですごく嬉しかった。
話しているうちに考え方がとても似てて、嬉しくなった。
美菜ちゃんも、以前チカンに遭ったことがあり、私と同じように・・・
周りのオヤジの不甲斐無さに腹を立ててた。
それで、いつかはチカンを退治してやろうと思ってたんだって。
チカンは最悪にキモかったけど、こんな素敵な出会いをくれたから許してやるか。