「俺といて、楽しい?」
私は消えたTVの画面に写る隆介の姿を見ていた。
すぐ隣から感じる視線を感じて、体がおかしくなりそうだった。
「…うん。いじわるだけど・・・」
私は隆介を見ることが出来なかった。
それは、TVに写る隆介が真っ直ぐに私を見つめていたから…
どうしよぉ…
まさか…このまま押し倒されたりして…
嬉しいけど…心の準備が…
「こっち、来れば?」
隆介が、不自然に空いた2人の間の空間を指差す。
目が合った。
きゃぁ…!!!!
隆介の目…なんだか熱い。
絶対…この後、何かある…
「来ないなら、俺が行く・・・」
隆介が、よっこらしょって私の方に近付いて座った。
どうしたの?
暑苦しいからいつも離れろって言うのに…
どうしちゃったの?
心臓の音、絶対聞こえてる…
ドクドクドクドク…
あれ?
ドクドクドク…
隆介の心臓の音も聞こえる。
体が触れ合ってるせいか、隆介の緊張までが伝わってくる。
「はい…」
隆介が…
左手を…!!!!
私の顔の前に出す。
「早く出せ・・・お前の手!」
えぇ~~~~!!
まだ手とか繋いだこともないのに…
こんな近くで…手、握られたら…マジで気絶する。
無理やり引っ張られた私の右手が隆介の左手に包まれた。
不思議…
ドキドキするんだけど…さっきまでのような緊張がスーッと消えちゃうような不思議な感覚。
落ち着くんだ。
「美亜の手、握るの初めてだな…」
「うん・・・・・・」
私は、魔法にかかったかのように頭がボ~っとしてる。
隆介の手は見た目はごつごつしてるんだけど、繋いでみると柔らかかった。
お互いほんのり湿ってるせいか、吸い寄せられるように密着してた。