「え~??お揃いかよ!やだよ、母さんとお揃いなんて!」
隆介は、お母さんの白い時計をじっと見ながら、恥ずかしそうに笑った。
だけどね、ちゃんとつけてくれるんだ。
隆介のがっちりとした腕に
やっと たどり着くことができた時計。
長い時間かけて、やっと隆介に渡すことができた。
そして、自分用に買っていた時計が、大好きな隆介のお母さんの腕に…
こんな幸せなことってある?
2人は、お揃いの時計を見ながら、照れたように微笑みあう。
そして、またお父さんからのプレゼント…
「見て!隆ちゃん…雪が降ってる!」
お母さんのその声は、小学生の隆介に話しかけるようだった。
隆介も、子供のようなキラキラした目をして、窓の外を眺めていた。
店を出るときには、雪は止んでいた。
お父さんらしいね。
ちょっとしたサプライズが好きだったお父さんからのとびっきりのクリスマスプレゼント。
タクシーを待つお母さんの横で、隆介はわざとらしく時計を見る。
お母さんもつられて、時計を見て・・・
「またね、隆介。」
小さな声でそう言ったのが、かすかに聞こえた。
そして、隆介からの
最高のクリスマスプレゼント…
「あ、母さん。俺、こいつと結婚すっから!」
感激しずぎて、手が震えた。
この気持ちを永遠に胸の奥に大事に置いておこうと思う。
これから先、何があったって、美亜は隆介についていくんだから。
ぶっきらぼうな隆介のその言葉の中に
どれだけの愛が込められているか、知ってるから…