昔とは違う。
ただ、ゆかりとたっくんに憧れてた頃とは、全然違う気持ちでいることに気付いた。
まだまだ追いつけないと思っていた2人に、いつの間にか追いついてるような気がした。
全く違う付き合い方で、全く違う愛し合い方をしてるけど…
もう、自分の恋が一番だって思えるんだ。
誰の真似もしない。
誰かを目標にすることもなく、私は隆介と2人で…
どこにもない、特別な『愛』を手に入れたから。
いかとトマトのパエリアが運ばれてきた。
大きなお皿にてんこもりのパエリア。
取り分けるゆかりの手には、たっくんとお揃いの時計。
手首には、お揃いのブレスレット。
そして、指には輝くリング…
「クリスマス、隆介どうすんの?」
たっくんの声は、とても優しく感じる。
普段、隆介の声を聞いているせいかも知れない。
「ん?あぁ、どうすんだろ?美亜に任せるよ。」
スプーンに山盛りのパエリアを乗せて、口へ運ぶ隆介が横目で私を見た。
「一緒に過ごせるだけでうれしいもん…」
思わず、心の声が出てしまった。
それを聞いて、ゆかりは赤面して…
「美亜、かわいい~!でも、私もたっくんと過ごせるだけでうれしい!!」
そう言って、たっくんの肩に顔を近づけた。
ゆかりの頭をそっと撫でるたっくんと
私のおでこを突っつく隆介。
私は、恋する敏感な心を…
隆介に突っつかれて、苦しいくらいにときめいた。