隆介に、覚えてる限りの思い出のツリーの話をした。
隆介は、ずっと星を眺めながら、たばこを吸っていた。
話しているだけなのに、昔にタイムスリップしたような不思議な気持ちだった。
バイクを停めた場所からは、夜景がきれいに見えた。
ゴルフの打ちっぱなし場は、大きなかごのようで、夜空に浮かび上がって見えた。
隆介がたばこに火をつけるたびに、私の心の中にも灯が灯る。
どんどん愛が積み重なってゆく。
隆介がちぎって空に投げた雑草のせいで、懐かしい緑の香りがした。
私がお父さんの話をいっぱいしたからか、隆介もお母さんの話をしてくれた。
サンタクロースがいると信じていた隆介が真実を知った日のこと。
もらったぬいぐるみが破れていて、隆介は泣きながらお母さんに言った。
「サンタさん、破れたぬいぐるみくれた・・・」って。
その日、お母さんが新しいぬいぐるみをくれたんだって。
「サンタさんに電話して、お店を聞いたのよ」・・・なんて嘘を、隆介は信じてるフリをした。
あれから、何年も経ったけど、今でも毎年心のどこかでサンタを待ってるんだ…なんて笑ってた。
照れた表情で、たばこの煙を吐いた隆介に抱きついた。
離れろ!って言いながら、優しく私を抱きしめてくれたんだ。
今年は…
素敵なクリスマスを
過ごそうね。
これから
ずっと
ずっと 一緒に 過ごさせてほしいよ、隆介。