缶の熱さのわりに、中のミルクティーは熱くはなかった。
それは、手よりも舌のほうが熱さに強いからだけなのかもしれない。
聖子さんは、何を話しているんだろう。
みんなが幸せになってほしい。
鈴子と健太のように…
美菜と橋本さんのように…
聖子さんと弘人も…幸せになって!!
ブルーの光に誘われるように、私はツリーの下にいた。
見上げると、とても幻想的で…
光の中にいるような気持ちになった。
あ、あの時、食べていたのはポテトじゃない。
あったかい肉まんだった。
皮が嫌いだった私の為に、皮だけ食べてくれたお父さん。
大きな手に包まれて、大好きな肉まんを食べてたっけ。
あそこ、どこなんだろう…
海の近くだったような気もするし…
どこかの橋が綺麗に見えたような気もする。
まぁ、とにかく
私はお父さんとツリーを見たんだ。