余裕の表情で、到着した隆介。
「よぉ!」
かっこつけて、メットを外す。
黒髪が顔にかかり、それを右手でかきあげる。
きゅん。
かっこいい。
好き。
健太みたいにかわいくないけど…
隆介が好き。
「健太… しっかり捕まえとけよ!」
隆介は、そう言いながら健太とハイタッチした。
さっき、鈴子から高校時代の話を聞いたせいで
健太と隆介のツーショットに感動しちゃう。
いろんなこと一緒に乗り越えて、戦ってきた2人なんだね。
「隆介、また今度4人で飯でも食おうぜ!」
「おう!」
隆介は、私の腕を強引に引っ張った。
「乗れよ!いいとこ連れてってやる。」
大好きな黒のバイクにまたがって、大好きな背中に顔をくっつける。
鈴子と健太は、自転車に乗りながら手を振った。
さらさらした茶色い髪を風に揺らしながら、必死で手を振る健太。
それを見て笑う鈴子。
「お似合いだね、あの2人…」
私の言葉に、隆介は誇らしげに言った。
「だろ?…でも、俺とお前も負けてねぇじゃん?」
私は、ニヤける自分の顔を隠すように隆介の背中に顔を押し付けた。