「…鈴子!!」



負けた。




速さも


手段も


完全に負け。





だってさ、



健太ったら…



子供みたいな真っ赤なほっぺして、手袋して…


自転車で来たんだよ。





鈴子を見つけて、微笑んだ口元は寒さでうまく動かなかった。


走り寄った鈴子が、健太の顔を手で挟んだ。



「健太ぁ!寒かったでしょ?ありがと!」



鈴子の手の温もりを感じた健太の顔…



すごくかわいい顔して、笑うんだ。




この時、確信した。




鈴子と健太は


絶対にゴールインできる…ってね。