遅めの晩御飯を食べた。
「お前、うまいじゃん…」
小さな声でそれだけ言った隆介は、あっという間にナポリタンを食べ終わった。
胸がいっぱいな私の分まで、食べてくれた。
「似てるよ…母さんの味に…」
そう言って、ベランダにタバコを吸いに行った。
そして、夜空を見上げるんだ。
ほらね。
タバコの煙を吐いた後、じっと星空を眺めるんだよ、いつも。
心の中では
美亜のお父さんに
話しかけてるのかな…
いつも見守ってくれてるお父さん。
遠く遠く離れてるけど、
誰よりも近くにいるお父さん。
「美亜、星見るか?」
窓を少し開けて、私を呼ぶ。
寒い冬の夜。
ベランダから星を眺めながら、冷たい手を温めあった。
一緒に暮らしたいね、なんて私が言うと…
隆介は、フッ…って笑った。
「美亜、クリスマス何欲しい?」
隆介のそんな質問にも、ドキドキして答えられなかった。
「俺、あげよっかぁ?」
なんて言われて、冗談じゃなく一番それが欲しいと思った。
その夜は、もう一度隆介と愛を確かめ合った。
冷蔵庫の中にあったチョコのせいで、私と隆介の唇が
チョコ色に染まった。