一晩名前を考えた。
なかなか決まらなかった。
翌日、隆介を見ていてふと浮かんだんだ。
台所で鼻歌を歌いながらコーヒーを入れる隆介の手に持っていた
『モカ』ってコーヒーの缶。
隆介がコーヒーの中で一番好きだといつも話してるモカ。
私の新しいペットは『モカ』と命名された。
「お!!そうだな。色もコーヒーみたいな色だからいいじゃん?」
隆介はそう言って、笑った。
辛い経験や寂しい思いは、できればしたくない。
だけど、それを経験しないと
温かい人間になれないんじゃないかって思うんだ。
隆介も
鈴子も
みんないろんな涙を乗り越えて
優しくなったんだ。
私も、りゅーたんとの別れを永遠に忘れないためにも
この寂しさを優しさに変えよう。