夜空を見上げながら歩いたのは、下を向くと涙がこぼれるから。
その時、一番明るい星がキラキラって瞬いたんだ。
…お父さん?
ねぇ、お父さん 美亜、この人が好きなんだよ。
わけわかんないし、自己中だし、思わせぶりだし…
Sだし… 美亜を好きかどうかもわかんない。
だけど、美亜は隆介じゃないとダメなんだ。
だから、ヤキモチ焼かないで応援しててね・・・お父さん。
「隆介…!!」
私は抱きしめられたことで舞い上がっていた。
調子に乗って、隆介の腕にくっついた。
「暑苦しいから、くっつくな!」
手を払いのけられた。
うぅ……
勝手だよ…
自分はさっき私を抱きしめたくせに。
私が腕を絡めただけで不機嫌な顔する。
私が逃げると追いかけてくる。
私が追うと逃げる。
お互いがSの『磁石』みたい。
もし、そうだとしたら私と隆介が惹かれ合うことって…有り得ない。