それから、隆介はずっとそばにいてくれた。
何も言わずに手を握ってくれた。
「学校サボる?」
そう言って、見晴らしの良い丘へバイクを走らせた。
12月の風はとても冷たいんだけど、なんだか気持ちが良かった。
「りゅーたん…いつまでもお前のここにいるんだぞ…」
隆介…
隆介は、そう言いながら私の胸を触る。
「やだ!!エッチ…!」
自然と笑顔が戻る私を見て、隆介は私のおでこを叩いた。
「ば~か!」
隆介は、コートのポケットに両手を入れながら丘を登る。
私はその後ろを追いかける。
「隆介、待って~!」
隆介は、わざと早足で歩き出す。
涙が溢れてくるんだ。
優しい優しい背中を見てると…
私の大好きな背中。
隆介の温かい背中が
大好きだよ。
お父さんに似た背中。
きっと
運命なんだ。
それは
昔みたいに 運命を信じようと必死だった頃とは違う。
確信に近い。
隆介と美亜は
運命で結ばれてるんだ…ってね。