ピンポーン…




隆介も駆けつけてくれた。




手には…みーたんを抱いて…





「家族再会だな…」



みーたんをガーゼの上に置くと、後ろ足だけで立って

耳を澄ましてキョロキョロと周りを見渡した。



そして、走り回るお母さんの後を走り出す。



時々止まって、りゅーたんの鼻に自分の鼻をくっつけた。




りゅーたんの目がさっきよりも大きく開いているのが見えた。


苦しそうだけど…


必死で目を開けて、体を動かそうとしていた。




「頑張れ!!」


みんなが祈った。




お母さんハムスターは走るのをやめた。


りゅーたんの口元に顔を近づけて…



口から何かを出した…







お母さんハムスターの口から出されたのは




ひまわりのタネ…



だったんだ。








隆介までもが泣いていた。






りゅーたんの顔の前に置いたひまわりのタネ…




『食べなさい…』



そう言ってるんだね。



母親だからわかるんだね…


だから、ここまで持ってきてくれたんだね…




「こんなとこまで持ってきてたなんて…」


鈴子は、お母さんハムスターの頭を撫でた。