泣き続けているうちに、りゅーたんの呼吸が少し落ち着いてきた。
お願いだから…
助かってよ。
鈴子が来てくれた。
タクシーに乗って来てくれた。
私は鈴子の顔を見て、なぜだか涙がもっと溢れた。
きっと、今私の気持ちをもっともわかってくれる人だから…
鈴子のハムスターが具合悪いときに、みーたんに会わせたのは
隆介に会いたい口実なんかじゃなく…
きっと
絶対
本当に
親子を会わせてあげたかっただけだ。
「美亜ちゃん…しっかりして…」
ふわふわのガーゼを床に置き、その上に鈴子はりゅーたんを置くようにと言った。
私は、震える手でりゅーたんをガーゼの上に静かに寝かせた。
ピクピクと動く鼻。
時々、けいれんのように後ろ足が動く。
「美亜ちゃん、大丈夫?」
鈴子は私の手を握ってくれた。
いつかのあの日の鈴子のように…
今度は私が泣きじゃくる。
そして、あの日の私のように
鈴子は私を支えてようとしてくれた。
小さな小屋から出したりゅーたんのお母さんハムスター。
見慣れない場所と私の泣き声に、少し警戒しているようだったが、
すぐに歩き出し、りゅーたんに近付いた。