なんて返事をしていいかわからずに、隆介の伸びたひげをじっと見つめた。
一緒に住むってこと?
同棲ってこと?
嬉しい!!
やばぃって!!
「あの…」
私が勇気を出して、返事をしようと思った瞬間だった。
「あ!!!!!!思い出した!」
隆介が大声を出した。
クールな隆介が珍しく子供のような高い声を出した。
「美亜ってさっき呼んだときに、何か思い出しかけたんだよ。ゆうちゃんの名前思い出した!!『悠亜』だ!!」
隆介のその言葉を聞いて、私は胸が激しく踊り出すのを感じた。
いてもたってもいられないってこんな気持ちだと思う。
隆介の口から今聞こえた名前…
忘れもしない…美亜と少し似た名前『悠亜』…
失恋したと思い込んだ私に勇気をくれた美容師さんだ。
私の背中を押してくれた優しい悠亜さん。
ねぇ、お父さん。
悠亜って名前は、そういないよね?
悠亜って名前の人に出会える確立って物凄く低いよね?
悠亜さんが…
もし… 隆介の『ゆうちゃん』だとしたら…
また
私は
運命を信じちゃうよ。
運命なのか
お父さんが手を貸してくれたのか…
どっちにしても
私、隆介の為に何かしたいんだ。