バイトが終わるとそのまま隆介の家に向かうようになった。


鈴子のいなくなった店は、隆介にとって少し寂しかったりするんだろうか。


鈴子と連絡を取っているのか気になったけど、聞けないままだった。



どっちにしても、後悔するから。



もし鈴子と連絡を取っていたとしたら、聞かなきゃ良かったと思うだろうし、


もし連絡を取っていないとしたら、疑った自分が恥ずかしい。




だから、鈴子と健太の話題は避けていた。





「ねぇ、隆介…また実家に遊びに行かない?」


私の提案を隆介は手を顔の前で振って、断る。



「もういいって。」


だんだんわかってきたんだ。


隆介のこと。


照れ隠し…



実は、心から『もういい』って思ってるわけじゃない顔。