「こうなるのが、嫌だったんだよ。しんどいから…」


腕枕をしてくれる隆介の顔を見た。


また、記憶を失うくらいの時間を過ごした私達は、いつの間にかベッドにいた。




「俺、自分が本気になると…こうなるってわかってたから。だから必死で抑えてた。」


隆介は、空いた手で自分のヒゲを触る。

私は、そのヒゲをじっと見つめながら聞いた。



「隆介、私との恋愛、しんどい?」


聞いた後すぐに後悔した。


不器用な隆介の愛の言葉だと気付く。


「お前、俺のことわかれよ!!ば~か!」


ふてくされた表情で、天井に向かって大きな溜息をつく。


「ごめん、隆介・・・ごめんね。」


隆介の胸の上に顔を乗せる。

隆介の呼吸と共に動く私の顔…


「できれば束縛したくねぇんだよ…俺は。」


隆介は、最近心の中を全部見せてくれるんだ。

昔のように心を閉ざしてはいない。



「いいよ・・・束縛でも、なんでも隆介なら嬉しいもん。」


私は隆介の体の上に乗ってキスをした。


私も昔の私じゃない。


言いたいこと、素直に言えるんだ。


居心地のいい場所を得た私は、意地を張ったり、強がったりしなくなった。



ずっと


ここにいたい。