「ごめんね…ここだから……… 同情なんてしないで… 」


鈴子はそう言いながら、私の手を握った。


言葉と心は必ずしも同じとは限らない。



鈴子の手の温もりから


『ありがとう』


が、感じられた。





だから、


私も手を握り返した。



口ではいじわるなことを言った。



「隆介は渡さないから…」



  

不思議な空気が流れた。



お互い


心の中で


何かが溶けていくのを感じてたはず。






私は、走って隆介の待つ部屋へ急いだ。



星が


キラキラって瞬いてた。





いいんだよね…



お父さん、これで。




だって…


美亜は揉め事がキライ。



できれば、みんなと仲良くしたい。





みんなが幸せになれる方法って


ないのかな…?