ただ、私の中で…
鈴子の印象が変わってきているのがわかった。
それは、女として…共感できる部分があったから。
鈴子は悪女でもなく、器用でもなく…
私と同じように悩んで苦しんで…
迷ってる。
健太と付き合いながら、心の中で隆介への想いをふくらませるような女じゃなくてほっとした。
隆介の好きだった人が、嫌な女じゃなくて良かった。
みーたんとりゅーたんのお母さんの飼い主が…
鈴子で良かった。
泣いている背中に手を置いた。
ビクっとした背中は、また泣き出した。
「言い過ぎてごめんね、鈴子。私誤解してた…」
届いてるのかどうか分からない私の言葉。
鈴子の泣き声が響く。