「隆介が…好きなの?」
本当は怖くて仕方がない。
一番聞きたくないこと。
でも、今聞かないと一生聞けない気がした。
鈴子と隆介の間には何がある?
「…わからない……でも、今は隆介のことしか考えられない。」
鈴子…
勇気あるよ。
彼女の前でそんなこと言えるなんて。
好きだって言うよりも、すごいよ。
隆介のことしか考えられない…まるで私と一緒。
「隆介に好きだって言うの?」
強がって平気なフリしてるけど、本当は…
怖くて
怖くて
手が震えてた。
これから来る…嵐。
大きな嵐がやってくるような気がして怖くて仕方なかった。
「…言えないよ。いまさら…」
そう言って、鈴子は少し笑った。
私は、頭に血が上って、顔が熱くなった。
何かが切れる音がした。
「何、それ!!じゃあ、なんで会いに来るの?どうして家に来るの?」
デジャヴかと思った。
何度も夢に見た光景だった。
私が感情的になって鈴子に何かを叫ぶ…
今まで長い時間鈴子に対して積み重なってた気持ちが溢れる。
「鈴子は、勝手だよ…健太がいるのに、いつも隆介に頼って… 健太がかわいそうだよ。」
鈴子に対して呼び捨てするのも初めてで、
ほとんど知らない健太のことも呼び捨てにしてた。
いつも心の中で話しかけてたから…
鈴子は、うつむいたまま何も言わなかった。
何を言い返されても、また言い返す言葉は出てくる。
それくらい、私の心の中には鈴子への不満がいっぱいあった。
それを鈴子をわかってるかのように、ただ涙を流してうつむいていた。