「なぁ…美亜は、俺のどこが好き?」


腕枕をする隆介が天井を見つめたまま聞いた。


いつの間にか、私達はベッドに移動していた。



それすらも記憶にない程、夢中で愛し合った。



「背中…」


ボソっとそう言うと、隆介がため息をついた。



「…落ち込むぞ?俺… 俺の魅力って背中だけ?」


大げさに何度もため息をつく隆介の胸に頬を寄せた。


「背中がね、あったかいんだぁ、隆介。すごく安心するんだよ。」


隆介は私の髪を少し指に絡めながら笑った。


エッチの後に、タバコを吸うのがキライな隆介。


どうしてだかわからないけど、エッチの後はタバコを吸わない。


そんなところまで、大好きで仕方がないんだ。



「ほんとは、全部好き。隆介が好き…」


目を閉じて、心の中からにじみ出る気持ちを伝えた。


「美亜、お前いつからそんなセリフ言えるようになったんだ?意地っ張りで、素直じゃないお前はどこ行った?」


ゆっくり話す隆介の声は、心臓の音と心地よいリズムを作り出す。



「隆介だって… なかなか好きだって言ってくれなかったじゃん。いつから好きだった?」



隆介ののど仏のふくらみを指でツンツンと突っつきながら、勇気を出して質問した。



「うっせ~よ。そんなこと聞くなら、また裸でコーヒー入れさすぞ!」



私のおでこをコツンって指で叩いて、ぎゅっと抱きしめてくれた。



いつだってそうだ。


口ではいじわるなこと言うのに、優しいんだよね。



「…素直になるって難しいな。俺、何度も言おうと思ったんだけどな…遅くなって悪かったな。」


やけに素直な隆介。


左手で自分の髪をかきあげながら、ちょっと上ずった声で…