涙が溢れた。
カーテンを開けて最初に目に飛び込んできたのは、
キラキラと光る星ひとつ。
目を凝らしてみると、無数の星達が私と隆介を祝ってくれているようだった。
涙で星がにじんで見える。
マグカップをベッドの横のテーブルに置いた隆介が私の隣に来る。
「すげぇ… きれいな星。 美亜の父ちゃん、俺・・・美亜のこと父ちゃんの分まで大事にするから安心してください。俺が責任持って美亜を守ります。」
涙が止まらない私を見て、隆介は私の頭を撫でた。
涙が止まるまでずっと撫でていてくれた。
私は隆介がお父さんに言ってくれたセリフを何度も何度も頭の中で思い出して、一生忘れないように大事な場所へ記憶させた。
ねぇ…お父さん。
こんな素敵な人がいるんだね…
私は世界一の幸せ者だよ。
お父さん、美亜は生まれてきて本当に良かった。
人を愛することがこんなにも自分を成長させてくれるって知らなかった。
人に愛されることが、こんなに心を温かくしてくれるって知らなかった。
隆介と出会って、恋をして、
美亜は、自分が好きになれたんだ。
そして、人を許せるようになったんだ。
過去の辛い思い出も全部忘れちゃうくらいに、幸せなんだ。
涙の乾いた私に、ぬるめのコーヒーを渡してくれた隆介。
「おいしいだろ?俺の愛情たっぷり」
こんなことを言ってくれて、また私の心をときめかせる。