「隆介は、きっと今すぐにでも抱きたいと思う。でも、焦って傷付けるくらいなら、大事にしたいって思ってるんじゃないかな・・・これはマジで内緒にしててくれよ。殴られるから…」
私は、隆介の心の傷を心配してた。
同じように隆介は私の傷を気遣ってくれてたんだ。
隆介が好き。
本当に大好き。
我慢・・してくれてたんだね。
私は冷めたコーヒーを一気に飲み干した。
「今日あいつバイトないって言ってたっけなぁ?」
たっくんはニヤニヤと笑いながらそう言うと、伝票を指差した。
「今日は俺のおごりだから… きっとあいつ待ってるよ。」
私は2人にお礼を言うと、勢い良く走り出した。
店を出ると、風がとても激しくて雲が速く動いてた。
夕焼け雲が私を追いかける。
向かう先はただひとつ…
愛する人の待つ場所へ。