私の頼んだチーズケーキをゆかりがじっと見つめる。
私は、ゆかりの抹茶のムースを見つめてた。
「お前ら…なんか似てるなぁ!!っていうか女の子って分けっこ好きだよな!」
たっくんは一口ずつ食べ合った私達を見て、自分のケーキを隠す。
ゆかりがその手の間からたっくんのガトーショコラを一口食べた。
「あ~ゆかり食ったな!!…美亜ちゃんもど~ぞ。」
私は遠慮しつつもちゃっかりたっくんのケーキを頂いた。
「こんなこと言うと、隆介に殴られるかも知れないから黙ってて。最近、あいつ幸せそうだよ。ニヤけたり、思い出し笑いしたり…今まであんな隆介見たことない。」
私とゆかりは隆介のニヤける姿を想像して笑った。
あの隆介が…?
「不器用な奴だけど、今あいつは人生で一番幸せなんじゃないかな。美亜ちゃんのおかげで…」
たっくんは優しい目で私を見ながらそう言った。
一番仲の良い友達であるたっくんの目からそう見えることが嬉しくて、泣きそうだった。
「そうですか?嬉しい!!隆介は、たっくんみたいに口がうまくなくて、甘い言葉とか言ってくれないんですよ…」
言った後で、やばいって思った。
まるで、たっくんが口がうまいって言ってるようなもんじゃん…
「おいおい、俺口うまくないよ!甘い言葉は言うけどな…ゆかりにだけだけど。」
「ほらぁ、それが口がうまいんだって!」
ゆかりはそう言いながらたっくんの肩を叩いた。
カフェの中は、ほとんどが女の子で、さっきからやたらと視線を感じる。
きっと、たっくんのせいだ。
この店の中で、たっくんは一人だけ違うオーラを出している。
「あのさぁ、あいつまだ手、出してない?」
急に真面目な顔で少し小声でたっくんが私に質問した。
私はたっくんになら何でも話せるような気がした。