コーヒーの湯気を顔に当てて、隆介は気持ち良さそうに目を閉じる。


私はその隣にそっと座る。



「何だよ、くっつくなって。」


隆介ったら、コーヒーの湯気で少し火照った顔でそんなことを言う。



気分変えろってどういう意味?

その気にさせてみろってこと?


絶対無理だし…

隆介のSな時間帯は、私はいじめられてることしかできないし。



「ねぇ、隆介…チョコ食べない?ねぇねぇ。」


これが精一杯。


隆介の肩に手を乗せて、少し隆介の体を揺すってみる。



「こら!こぼれるだろ!美亜のば~か!お前はいつまでも俺を信じないから、もうキスもしない。」


隆介…


隆介はマグカップをテーブルに置き、ソファの上に体育座りをした。




うぅ…かわいい。



甘えるのって苦手。


甘えられるほうがいい。





「隆介、本当にごめん…疑ってなんかないよ。ただ、やきもち焼いてただけだよ。」



膝にあごを乗せて少しスネた顔した隆介に体を寄せた。


隆介はちらっと私を見て、言うんだ。



「反省してんの?じゃあ、態度で示して…」