美菜が、橋本さんと付き合うことになった。
特にびっくりすることはない。
予想通りの展開。
予想外だったのは橋本さんの手の早さ。
「引いた?やっぱ、まだ早かったかな?」
バスの中で美菜が不安げな表情で私を見つめた。
「引かないよ!!好きなら、当たり前だと思うよ!」
この私の返事に美菜は安心したようにため息をついた。
嘘じゃない。
私だって、求められれば隆介に抱かれてたと思う。
きっとずっと前だとしても…
付き合う前でも、
隆介の気持ちがわからなくても…
大好きな人が
自分を求めてくれたら、やっぱり負けてしまうと思う。
美菜は両想いなんだし、相手はかなり大人だし、自然なことだと思う。
ただ、橋本さんは見た目は奥手に見えていたから驚いただけ。
きっと、また待ってるよ。
バス停で、美菜だけを見つめて手を振るんだ。