「どうぞどうぞ…!」
隆介のお父さんは、私と隆介に座布団を出してくれた。
充分に温まったこたつに足を入れると、冷えた体が一気に温まる。
隆介の血の繋がらないお母さんが、挨拶に来た。
お茶だけ出して、隆介をよろしく、と言うと、すぐに2階へ上がった。
気を遣って席を外したことはすぐにわかった。
お洒落な感じの美人な人で感じが良かった。
「老けたな…」
ボソっと隆介が言った。
古いテレビとタンスだけのその部屋で、一番目立っていたものは…
隆介の表彰状と隆介の写真。
立派な額に入れられた賞状は、高校時代の野球部の物だった。
隆介が投げている瞬間の写真が大きく引き伸ばされて飾ってある。
ぶっちゃけ…
かっこよすぎて、その写真をもらって帰りたいと思った。
ユニフォーム姿の隆介は、今とは全然違う雰囲気で…
いつか、着てもらいたい…なんて考えてた。
愛されてるよ、隆介。
お父さんは隆介をすごく大事に誇りに思ってるんだって感じた。