ガチャガチャと音がして、私の鼓動はどんどん速くなる。
庭先の花壇が綺麗に並んでいるのを見ると、隆介の義理のお母さんの人柄が見えるようだった。
「お~!!隆介!!やっと、顔見せたか!!」
隆介はふてくされた顔で目も合わさずに下を向いた。
「君が、隆介を連れてきてくれたのか?ありがとな…」
話し方がすごく隆介に似ていた。
乱暴な口調の中にある優しさ。
親子だって思う部分がたくさんあった。
真っ直ぐな髪。
大きな手。
低い声。
「まぁ…入れや。」
気のせいかも知れないけど、お父さんの目が潤んでいるように見えた。
きっとすごく嬉しかったんだ。
かわいい息子が会いに来てくれたこと。
動こうとしない隆介の手を引っ張って、私は玄関へ一歩近付いた。
「じゃあ、お言葉に甘えて失礼します!!」
無理して元気な声を出した。
初めて来たとは思えない気分になったのは、庭の木のせいかもしれない。
小さい頃、庭で木の世話をしていたお父さんを思い出した。