珍しく時間より前に来た隆介は、

会うなり私のおでこを叩く。


これも照れ隠し。


「何、女らしい格好してんだよ!一瞬誰かわかんなかっただろ!スカート短いし!!」

睨むように私の全身を見るんだ。


まだ片思いだった頃、何度か映画を見に行ったよね。

いつも隆介の好みの映画で、いつも隆介は遅刻してきて。



あの頃と同じくらいドキドキしてるけど、あの頃よりずっと居心地がいい。


「どこ行く?」


両手をポケットに突っ込んで、首だけ振り向いてそう聞く隆介。

私は小走りで近付いて隆介の腕にくっついた。


「ば~か!くっつくな!!うざいんだよ!!」



そう言いながら…




私の手を



隆介のポケットの中へ



入れる。



溶けちゃうよ…


隆介、最高だよ。