今日も、見たい映画があるからと駅前の映画館で待ち合わせ。
いつも、隆介中心。
『見たい映画あるんだぁ~』
私がそう言うと、隆介の返事はいつも決まって
『あっそ。』
自分勝手で、わがままで…
何度も『キィィィィ~!』ってイライラしちゃったりするんだけど…
そんなこと忘れちゃうような何かがあるんだよね。
ホラ……
また…
こんなに私をときめかせちゃうんだよ。
「ほらよ!」
待ち合わせの時間を15分も遅れてやってきた隆介は私に『イチゴ練乳』って言う飲み物をくれた。
いちごが好きなこと…知ってくれてるんだ。
『ごめんな、遅れて』なんてセリフよりも、100倍嬉しい。
イチゴ練乳を飲みながら
映画を見る。
私の好みじゃない、激しい映画。
ありえないような展開で、空を飛んだり水の上を走ったり…
そんなアクション物。
隣に座る隆介が…
私と隆介の間にある『イチゴ練乳』に手を伸ばす。
ちょ…
ちょっと!!
間違ってるよ。それ、私の飲み物!
隆介のコーヒーは、左だよ!
小声で言うんだ。
「…甘いよ、コレ。」