遅くまでバイトのある日は、隆介は電話をくれた。
家に帰るとすぐに『今家着いた』って電話をくれた。
そんなささいな優しさが『彼女』だって認識させてくれるんだ。
11月3日まであともう少し。
会いたいけど、誕生日までエッチは大事に取っておきたい気分だった。
一緒に歩く隆介は、どんなときめきをくれるんだろ。
もしかして手をつないでくれたりするのかな?
どんどん私を隆介色に染めてゆく。
毎晩、隆介のことを考えながら眠るせいで隆介の夢ばかり見る。
だけど、出てきて欲しくない人も登場する。
鈴子…
やっぱり記憶から消すことはできなくて…
あの夜の記憶が私を不安にさせる。
顔を見ないとやっぱりだめなんだって思う。
声を聞いてもメールをくれても、不安は消えない。
やっぱり隆介の温もりを感じて、隆介の腕に包まれないと安心できない。