モォ~!モォ~!


のんきに私達の前を歩く牛を見ていると涙がこぼれた。

聖子さんの手が微妙に震えているのを感じて、何もできない自分に腹が立つ。

聖子さんの告白がうまく行きますようにって、空のお父さんにお願いすることしかできない。


この日もほとんどお客さんが来なくて、こんな楽しいバイトでお金もらっていいのかって申し訳なく感じてしまう。

私に比べて、相当ハードな美菜の仕事。

でも、顔をテカテカにして私に走ってくる美菜は疲れなんて感じさせないんだ。

恋の力ってすごいね。

みんなの恋が、うまく行きますように…

お願いだよ、お父さん。


夜空に輝く星に願う。

欲張りな美亜を許してね。


だって、みんな大事な友達なんだもん。

みんなが幸せになって欲しい。