私は、隆介に告白しようと決意した日のことを話した。

そして、思いがけず目撃してしまった隆介の鈴子への告白のこと…

落ち込んでたくさん泣いて、髪を切りに行ったこと…


そして…

隆介が私と向き合う為に過去にけじめをつけてくれたこと。



好きだとは言われていない。

『準備できた』っていう隆介の言葉がアイツにとっては物凄い勇気のいる告白だって思うから、好きって言葉はなくても嬉しかったこと。

そして、11月3日の誕生日にデートの約束をしたこと…


「良かった!!それすごいよ!!隆介君って相当美亜の事好きだと思うよ。まだ手を出さない所もいいよ~!」


聖子さんの言葉は、自信になる。

私はまだ子供だし、男性経験も少ない。

男心も正直、わかんないから。


「美亜の恋、うまくいくと思ってたよ。これからが大変だけど、美亜なら大丈夫!不安になるけど、引きずらないし…すぐ切り替えができる。うらやましいよ。」


聖子さんの言う意味がよくわからず、私は少し首を傾けた。


「鈴子のことも、気になるんでしょ?でも、隆介君に会うと忘れられるなら大丈夫!失恋したって思ったときも、うじうじ悩むんじゃなく、髪を切って前を向いて歩こうとしたじゃん。私にはできないよ。美亜は若いけど、私よりも恋が上手だよ。」


深いオレンジ色の夕日がとてもゆっくり沈んでいく。


山の上のこの牧場から見る夕日は最高だった。


そして、聖子さんが言ってくれた言葉も一生忘れられないくらい嬉しかった。