美菜は、無邪気に橋本さんに駆け寄り、橋本さんは自然に美菜の肩に手を回す。


…ありえなくない?


こんなのどこから見ても彼氏彼女じゃん。



私は、バスから降りて無意識に聖子さんの姿を探していた。

何よりも先に、隆介との事を伝えたかった。

もしかして…休み?

無性に寂しくなる私に、冬の風が吹き付ける。



「美亜~!!久しぶり!」


後ろから懐かしい声と共に抱きついてきたのは…


「あ~聖子さん!!早く会いたかったです!」


私は、急いで着替えて受付に座る聖子さんの元へ。


「どうした?美亜、髪型変えた?かわいい~女の子って感じだね。」


「実は…失恋したと思って髪を切ったんです。でも、それが誤解でよくわかんないんだけど隆介が飼い主で…なんかもうわけわかんないけど土曜にデートだし…でも誕生日だし…」



意味のわからない私の話に聖子さんは笑い出し、私の背中を撫でる。


「わかったわかった…落ち着いて、ゆっくり聞くから話して。」