そのままエッチをしてもいいと思った。
だけど、隆介はただぎゅっと私の体を抱き締めた。
「美亜、いじめてごめんな。しばらくこうしてていい?」
私は、できるだけ隆介が重くないように体に力を入れていた。
それに気付いた隆介が私の体をそっと浮かせてソファに空間を作ってくれた。
2人でくっついて、抱き締め合いながら、時々チュってしてくれた。
鼻先をくっつけて見る隆介の顔は、魚眼レンズで見てるかのようにかわいくて…
このままずっとこの時間が続けばいいのに…って思ったよ。
「美亜、Mじゃん…いじめられんの嬉しいんだろぉ?」
「違うもん。美亜ほんとはSなんだよ。でも、あんたの前じゃ…まるでM…」
その言葉を遮るかのように、隆介が私に覆いかぶさった。
そして、上から私を見下ろして…ニヤっと笑う。
「いじめてみろよ、俺のこと。くくくく…」
そして、今までに感じたことのないような気持ちいいキスをくれた。
キス…
キスで気持ちって伝わるんだ。
言葉ではうまく言えない最後の気持ちがキスで伝わる。
激しい隆介のキスに、私の体も心も奪われて…
もう、夢の中にいるみたいに…力が抜ける。
もう…好きにして。
「ほら!送るから!用意しろ!!」
トロンとした私の頭をポンって叩いて、隆介は立ち上がる。
「ひひひひ…放置プレイ!!!美亜、お前ほんと面白いヤツ…」
隆介はテーブルに置かれてあるゴムで髪を無造作に束ね、また私をときめかせた。
放置プレイ…
想像以上に、隆介って…
エロいよ。
しかもSなのに、美亜たん…とか言っちゃって…
甘えてくれるかわいいヤツ。
私は、熱くなってる体を自分で感じてた。
なるべく気付かれないように帰る用意をした。
鼻歌歌いながら、マグカップを洗う隆介を横目で見て…
『好き』って呟く。