全部のチョコを食べなかったのは、もったいなかったから。



また…


チョコ味のキスがしたかったから。




冷蔵庫にチョコをしまいながら、深呼吸をする。


このままだと、私おかしくなっちゃうよ…


隆介、かっこよすぎるよ。




恋愛に臆病だった人だとは思えない。

実は、すごく恋愛に慣れてるんじゃないかって心配になるくらい。


女心をくすぐりまくりだよ。




「美亜た~ん…早く来て…」


まただ。


あんたのペース…



でも心地いい場所。



ソファに寝転んだ隆介が、両手を広げて私を待つ。



こんな隆介見たことないよ。


私に

甘えてる。



「美亜、来て…」



私は、座る場所のないソファに近づいて隆介の髪に触れた。


柔らかい綺麗な髪。



「美亜、ずっとここにいて。帰んないで…」


立ったままの私の手をぎゅっと握りながら、上目遣いで私を見る。





だめだって…

反則だよ、その目は…



「だめだよ…もう帰んなきゃ…」


私は、ソファの横にしゃがんだ。

隆介と同じ高さの位置に座る。



「ここに来て…」



真剣な目がかっこよすぎて吸い込まれそうだった。


キリっとした眉に、切れ長の目。

近くで見るとまつげ…案外長いんだ。



「ほら… ここにおいで…」


隆介の手に導かれるままに、私は隆介の体の上に自分の体を乗せた。