「美亜、俺我慢できない…」
私の耳に息がかかるくらいの距離で、大好きな低い声でそう言った。
録音したいくらいにセクシーで、たまんない声。
「俺が、チョコ取ってくるから…」
そう言って、隆介はキッチンへ歩く。
自分の髪をぐちゃぐちゃ・・・ってして、大きくため息をついて…
深く深呼吸して、冷蔵庫を開ける。
すぐに見つかるはずのチョコを、時間をかけて探す隆介は
きっと、気持ちを落ち着けてるんだ。
我慢できないって言ったのに、ちゃんと我慢してくれる。
冷蔵庫の冷気で、自分の気持ちを冷ましてる。
そんな後ろ姿を見て、
涙が出そうに好きだと思ったよ。
ごめんね、隆介。
私、まだ怖い。
でも、怖いけど・・隆介に抱かれたいって思う。
今すぐでも
抱いて欲しいよ。
言えないけど…