次の教室に移動している時、メールが来た。
『飼い主からの命令!夜、俺に会いに来い!』
迷うことなく保護したそのメール。
これから携帯の保護がいっぱいになるくらい、たくさんメールが来るのかな。
こんな満たされた幸せな気持ち、初めてかもしれないよ。
覗き見たゆかりがまた私をからかう。
「絶対、美亜食べられちゃうよ…!!」
そんなことないもん!ってゆかりの背中を思い切り叩いた私だけど…
心の中では、今日履いてる自分の下着を思い出してた。
早く会いたい。
早く隆介にぎゅ~ってされたいんだ。
彼氏と彼女以上の関係。
『飼い主とペット』
授業が終わると、私は美容院『BLUE MOON』へと向かった。
この笑顔を悠亜さんに見せたかった。
自分ではうまくできないこの髪だけど、必死で頑張った成果を見せたい。
素直になる勇気をくれた悠亜さんの元へ走る。
秋から冬へと変わる雲が、急ぎ足で空を泳ぐ。
空の青も、夏とは違う色をしてた。