お世話になった人みんなに大声で叫びたい気持ちだった。
朝起きると世界が違って見えた。
生意気な弟にお小遣いなんてあげちゃって…
お母さんに『生んでくれてありがとう』なんて恥ずかしいセリフも言えた。
学校では、大騒ぎになることを恐れ、ゆかりだけに話した。
想像通り、ゆかりは私の為に涙を流して喜んでくれた。
ゆかりもいっぱい辛い想いしてきたから…
自分のことのようにいつも心配してくれてた。
鈴子のこと誤解だって知ったゆかりは、すぐにたっくんに電話した。
どうやら、心配したゆかりはたっくんに鈴子との関係をこっそり調べてもらうつもりだったらしい。
そんなみんなの優しさが、本当に嬉しかった。
「お祝いしよ!」
2人きりのお祝いは、食堂のオムライス。
大好きなトマトのオムライス大盛りをご馳走してくれた。
これからどんな日々が始まるんだろ。
隆介はどんな彼氏になるんだろ…
楽しみで仕方がないよ。
どんな恋人同士になるのか、まったく想像もつかないけどただひとつだけわかることがある。
…それは、きっと私はどんどん隆介が好きになる…ってこと。
オムライスを頬張りながら、初めて隆介に会った日のことを思い出す。
「美亜と隆介君って最初からこういう運命だったんだよ~!」
出逢ったその日にトマトのオムライスを食べた私と隆介。
2種類のトマトのオムライスを分けながら食べたよね。