「髪型、変えた?」


隆介は私の髪にそっと触れる。


「いいじゃん… 似合ってる。」



どうしたの、隆介。

あんたらしくない。


優しくして欲しかったけど、急に優しくされるとどう対応していいのかわからない。



顔を上げた私は、何も言えず隆介のあごのひげを見つめてた。



「美亜が準備出来たら、言って。俺、待つから。」


ここまで言われてやっと昨日の隆介の告白が誤解だったと気付いた。



「もう…ずっと前から準備万端だよぉ…ばか。」


隆介の胸をポコポコとパンチしながら、どんどん溢れる涙を止めることができなかった。



「お前…もう俺いらねぇのかと思った。昨日から無視してたから。」


隆介の表情が今までとは違っていて、また私の心を掴む。


強がってた隆介の仮面が少しずつはがれてく。



「だって…だって…隆介…鈴子のこと…鈴子にだけ優しいし・・・いつも鈴子は特別で…」