風が強すぎて、せっかくのほんわかヘアが乱れる。
何も言えないまま、ただ隆介の目に吸い込まれそうになってた。
「俺、やっと前に進む準備できたから・・・ もう過去スッキリさせたから・・・」
私は、状況が理解出来ず・・・
だけど、目からは大粒の涙がこぼれた。
脳が理解するよりも私の体がちゃんと反応してた。
隆介の手が私の肩へ伸びる。
そっと両肩に手を置いた隆介が…
顔を近づける。
「美亜・・・」
隆介が、鼻をくっつけて私の名前を呼ぶ。
…そして
優しく キス………
嘘…
嘘だぁ…
どうして?
私、フラれたんじゃないの?
昨日、隆介は鈴子に告白して…
私はあんたにフラれたんだよ。
「美亜、これからも俺のペットでいてくれる?」
私は首がおかしくなるんじゃないかって位、激しく首を縦に何度も振った。
「隆介ぇ…隆介ぇ…もう、会えないと思った。ふぇ~ん…隆介じゃないとぉ・・・美亜は、ダメなんだよぉ…」
髪型のせい?
隆介のキスのせい?
この満天の星空のせい?
素直になれた私は、隆介の大好きな胸に顔を埋めた。