どうして…
どうして?
家の前の公園に隆介のバイク。
角のバス停でタバコくわえる隆介が…
足組んで、偉そうに腕まで組んで…
じっと私を睨む。
悔しいけど、その姿がとてもかっこよくて、写メ撮りたいくらいに様になってた。
「おい、なんだよお前…」
大声なんて出しちゃって、まだたくさん残ってるタバコを乱暴に灰皿に投げ入れて…
私に向かって歩き出す。
「何無視してんだよ、ペットならペットらしく俺の言う事聞けよ!」
まだペットなんだ…
隆介の言葉に感動してる私。
腕を掴まれて、公園まで連れて行かれた。
鈴子を掴んだ腕が、今私を掴む。
「昨日も、ここにいたのに・・・夜電話したとき、ここに来てたのに。」
「・・・・・・・・ごめんね。寝てた・・・」
嘘つくのは得意じゃない。
隆介の目を見ることができない。
歩いたせいか、体はポカポカと温かい。
強い風が、不気味な音を立てる。
「俺、準備できたから・・・ それを言いたくて、昨日も電話した。」
・・・準備?
何の?
訳わかんない私は、そっと隆介の目を見る。
真剣な目で私の目を見つめる隆介。
少し寂しそうな目で言う。
「遅すぎたか… もう、俺いらないか?」