真っ直ぐ家に帰る気分でもなく、ブラブラと街を歩いた。
仲良く手を繋ぐカップルを見ては、切なくなる。
いつか、あんな風に隆介と歩けると思ってた。
隆介の隣にいるのは、私なんだと思ってた。
寄り道しながら、自分の気持ちを整理した。
話さなきゃいけないって分かってる。
あんなに電話やメールをくれる隆介は、早く私に何かを伝えたがってる。
友達を演じるなら、ここで逃げてちゃダメ。
平気な顔で、おめでとうって言わないと…
だけど、もう少し待って。
あともう少ししたら、またいつもの美亜に戻るから。
そしたら、合鍵なんていらないよ、って隆介に合鍵を返すよ。
返してなんて言われる前に自分から返すから…