「悠亜さん、また来てもいいですか?」


悠亜さんはカゴに入ったアメを私の前に置く。


「うん・・・いつでもおいで。私も、今の旦那と結婚するまで結構いろいろあったよ。別れたこともあるし、もうダメだって思ったこともある。だから、美亜ちゃんも負けないでね!!」


悠亜さんに見送られて、店の外に出る。

顔が火照ってるせいか、冷たい風が気持ちよく感じられる。


手を振り、歩き出した私はさっきまでの私より少し強くなれた気がした。



ガラス窓に映る自分の姿を見る。


…うん、大丈夫。


目が腫れてるけど、美亜いい顔してる。


この髪型なら、素直になれる気がして…


隆介からのメールを読む勇気が出た。




『今から、俺んちに来い!』


『無視かよ!』




どんな理由であれ、隆介からこんなメールがもらえたことが嬉しくて保護してしまう。



隆介の家に向かうのか


家に帰るのか


自分でもどうしていいかわからなかった。




家に行くと、そこには鈴子がいるんじゃないか…


そんな不安がどんどん大きくなり、私の足は自然と自分の家へ向かう。